蕎麦あれやこれや


城崎温泉

白浜・有馬とともに関西で最も親しまれている山陰屈指の温泉。

1400年余の歴史を持つ城崎温泉は、「一の湯」「地蔵湯」「柳湯」 「御所湯」「まんだら湯」「鴻の湯」の6つの外湯を中心に栄えて来ました。

カゴを持ち、下駄を鳴らしながら大谿川のせせらぎの音を聞き、 外湯に行きかう姿は、城崎温泉ならではの風景です。


当店の蕎麦

当店では 厳選された国内産玄蕎麦を石臼挽きにて製粉したそば粉 及び清涼な城崎の水を使用し、水廻しより切りにいたるまで すべて手作業で丹精を込め 打ち上げております。


蕎麦事始

蕎麦栽培の渡来

養老6年(722年)元正天皇により 救荒作物として蕎麦の栽培が 奨励されたことが「続日本紀」に記されております。 しかし5世紀の半ばには信州で蕎麦が栽培されていた記録があり、 それ以前より大陸から蕎麦の栽培が渡来していたと考えられております。

蕎麦切りの発祥

麺としての蕎麦が食されるようになるのは 蕎麦栽培の渡来よりも かなり時代が下がります。

近江多賀大社の寺僧 慈性の書残した「慈性日記」の慶長19年(1614年) 2月3日の項に 江戸 常明寺にて蕎麦切りの馳走にあずかったとの記述があり、 慶長年間には既に寺方で供されていたことが窺われ、発祥はそれ以前に遡る ものと考えられております。

江戸も後期になると 府内の蕎麦屋は3,763軒にものぼり(守貞漫稿)、 蕎麦の消費量も1人当たり1年に80玉、高級武士・子供を除けば成人男子は ほぼ毎日蕎麦を食べていたと考えられ、江戸における蕎麦の爆発的な流行が 窺われます。
またこれは当時「江戸患い」とまで呼ばれた「脚気」から逃れようとした 人々のビタミンBへの無意識の欲求によるものかもしれません。


蕎麦の栄養

蕎麦には良質な植物性蛋白質が多く含まれており、その蛋白質量は単位重量 あたり 白米の5.4倍にもなります。 また「蕎麦事始」の項でも述べました様に 豊富なビタミンB、 近年高血圧や動脈硬化の予防に効果があるとして注目されているルチン、 コレステロールの濃度を調整するとされるコリンも含まれています。